「働きながらUSCPAに合格できるのか?」——受験を検討する社会人が最初にぶつかるのが勉強時間の確保です。筆者(@MezaseUscpa)も、勉強開始前は平日18時30分に帰宅してゴロゴロするだけの「1日0時間のぐうたら社会人」でした。それでも生活の組み立て方を変えたことで、勉強開始から3週間で70時間を確保でき、約2年・総勉強時間1,630時間で全4科目に合格しています。この記事では、実際にやったことだけを正直にまとめます。
社会人がぶつかる壁:合格まで1,000〜1,500時間
USCPAは一般に合格まで1,000〜1,500時間が必要と言われます。筆者が実際に費やした勉強時間は次のとおりでした(スタディプラスで記録した正味時間)。
| 項目 | 実績 |
|---|---|
| 総勉強時間 | 約1,630時間 |
| 合格までの期間 | 約2年(2019年3月〜2021年3月) |
| 1年あたり | 約800時間 |
| 1ヶ月あたり | 約54時間 |
| 1日あたり | 2時間弱 |
「1日2時間弱」と聞くと少なく感じるかもしれませんが、フルタイムで働きながらこれを2年間続けるのは簡単ではありません。逆に言えば、1日2時間を淡々と積み上げれば届くということでもあります。なお、必要な費用の全体像はUSCPA取得にかかる費用の記事にまとめています。
結論:「やりたくないことをやめる」+「とりあえず1問解く」
筆者が勉強時間を確保するためにやったことは、たった2つです。
- やりたくないことをやめる(引き算/禁止型)
- 空いた時間で、とりあえず問題を1問だけ解く(小さな足し算)
ポイントは、「1日20問解く」「朝5時に起きる」といったノルマ型(足し算型)の目標を立てないことです。意志の弱い筆者の場合、ノルマ型の目標は必ず2日目で挫折しました。代わりに「これは本当に自分がやりたいことか?」と問い直し、そうでない行動を減らす。空いた時間に1問だけ解くと、やる気がなくても気づけば1時間経っている——これが一番続いた方法でした。
具体的にやめた3つのこと
実際にやめたのは、意外にもこの3つだけでした。
① なんとなく参加していた飲み会
「社会人は飲み会に行くもの」と思い込み、ほぼ断らず参加していました。しかし振り返ると、上司の説教や武勇伝を聞くだけの会も多く、心から行きたいわけではありませんでした。「お酒は好きだけど飲み会はあまり…」と少しずつ公言し、参加を減らしました。金曜の飲み会がなくなると、土曜の午前を無駄にしなくなる副次効果もありました。
② 昼休みの昼寝
午後の眠気対策に30分ほど昼寝していましたが、試しに昼休みに1問解いてみると驚くほどはかどりました。昼寝をやめても眠いのは20分程度で、午前・午後の仕事配分を工夫すれば支障はありませんでした。
③ Netflix
解約して終わりです。見たい作品は試験後にまとめて消化すればOK。※Amazonプライムは残しました。
1日・1週間のスケジュール例
気合を入れるというより、「机に座って1問解く」を習慣化しただけで生活は大きく変わりました。
| 勉強を始める前 | 勉強を始めた後 | |
|---|---|---|
| 平日夜 | 帰宅後は布団でゴロゴロ、眠くなったら就寝 | 帰宅したらまず机に座り、1問解く or 講義動画を流す |
| 飲み会 | 誘われればほぼ参加 | ほとんど行かない |
| 土日 | 金曜の飲み会疲れで昼まで就寝、特に何もしない | 起きたらまず机に座り、1問解く or 講義動画 |
不思議とテレビも見なくなり、勉強時間は自然に増えていきました。科目ごとの具体的な進め方は合格者の勉強法・スケジュールの記事、合格までの流れの全体像は合格までの全記録タイムラインを参考にしてください。
続けるコツ:完璧を目指さない
最初の1ヶ月は「月100時間やるぞ」と意気込んだものの、実際は71時間にとどまりました。それでも十分です。目標に届かない月があっても自分を責めず、「机に座って1問」を切らさないことのほうが大切でした。BECだけは3回受験することになり、心が折れかけた時期もありましたが、淡々と1問を積み重ねたことが最終的な合格につながりました。
科目別の勉強時間(実績)
「どの科目にどれくらいかかるのか」も、筆者の実績で示します。スタディプラスで記録した科目別の勉強時間と結果は次のとおりです。
| 科目 | 勉強時間の目安 | 結果 |
| FAR | 約424時間 | 2019年10月 合格(82点) |
| AUD | 約324時間 | 2020年6月 合格(80点) |
| REG | 約350時間 | 2020年11月 合格(76点) |
| BEC(3回受験) | — | 2021年3月 合格(76点) |
| 合計 | 約1,630時間 | 約2年で全科目合格 |
範囲が最も広いFARに約424時間と最も多くの時間を投下し、AUDは324時間と比較的短め、REGは350時間でした。BEC(現在は廃止された旧科目)は3回受験することになり、勉強時間に加えて受験料だけで約21万円がかさみました。受験順はFAR→BEC→AUD→REG→BEC→BECです。各科目の詳しい対策はFARの勉強時間と難易度・AUDの勉強時間と難易度・REGの勉強時間と難易度、合格までの流れは合格までの全記録をご覧ください。
合格までにかかった総勉強時間
最終的に、全4科目合格までに積み上げた勉強時間は合計およそ1,630時間でした。期間は約2年(2019年3月〜2021年3月)なので、単純平均すると月あたり約54時間、1日にならすと2時間弱のペースです。特別に長時間机に向かったわけではなく、平日1〜2時間・休日に少し多めという「無理のない社会人ペース」を、波はありながらも切らさず続けた結果です。USCPAは合格までに1,000〜1,500時間が一つの目安とされますが、働きながらでも2年前後で十分に射程に入ります。
心が折れかけたBEC3回受験から学んだこと
順調だったわけではありません。筆者はBEC(現在は廃止された旧科目)に苦戦し、合計3回受験することになりました。受験のたびに受験料と数ヶ月の時間を費やし、正直、心が折れかけた時期です。それでも合格までたどり着けたのは、不合格のたびに「勉強をゼロにしない」ことだけを守ったからでした。落ちた直後の1週間は落ち込んでペースが落ちても、机に座って1問だけは続ける——この「最低ラインを切らさない」習慣が、長期戦で最も効きました。働きながらの2年間で学んだのは、調子の良し悪しに関わらず淡々と積み上げる人が最後に受かる、ということです。
まとめ
働きながらの合格は、根性で勉強時間を「足す」より、やりたくないことを「引く」ほうが続きます。まずは自分の1日を見直し、なんとなく続けている習慣を1つやめて、その時間で1問だけ解いてみてください。英語力に不安がある方はUSCPAに必要な英語力の記事も合わせてどうぞ。
月別・勉強時間の推移(実績データ)
「働きながらで、実際どれくらいのペースになるのか」をイメージしやすいよう、筆者がスタディプラスで記録した月別の勉強時間を公開します(学習開始〜FAR合格まで)。
| 月 | 勉強時間 | 累計 | メモ |
|---|---|---|---|
| 2019年3月 | 71時間 | 71時間 | 目標100時間に届かず。英文会計入門+FAR着手 |
| 4月 | 79時間 | 150時間 | 平日2h・休日5hペースが固まる |
| 5月 | 48時間 | — | 遊びすぎて失速した月 |
| 6月 | 60時間 | — | 有給を使って1日勉強も |
| 7月 | 37時間 | 約295時間 | 最低記録。それでも継続は切らさず |
| 8月 | 60時間 | 355時間 | FAR TBS(記述)を重点対策 |
| 9月 | 70時間 | 424時間 | FAR仕上げ。翌10月に82点で合格 |
見てのとおり、月70〜90時間の月もあれば37時間まで落ちる月もありました。ポイントは「調子の悪い月があっても完全にゼロにはしない」こと。月48時間・37時間という失速月を挟みながらも、FARは約424時間を積み上げて合格できています。毎月同じペースを保つ必要はなく、波があっても続けることが結局は最短ルートでした。
勉強前と勉強後で「1日」はこう変わった
気合や根性ではなく、生活の初期設定を変えるだけで勉強時間は生まれます。筆者の実際の変化がこちらです。
| 場面 | 勉強を始める前 | 勉強を始めた後 |
|---|---|---|
| 平日18:30帰宅後 | ご飯→布団でゴロゴロ→「明日も仕事か」と思いながら就寝 | まず机に座り、問題を1問 or 講義動画を流す |
| 昼休み | 30分の昼寝 | 1問だけ解く(意外とはかどる) |
| 金曜夜 | 飲み会に参加 | 基本は参加せず帰宅 |
| 土曜 | 飲み会疲れで昼まで就寝、特に何もしない | 起きたら机に座り1問 or 講義動画 |
特別なことは何もしていません。「やめる」を先に決めて、空いた時間に「1問」を置いただけ。それでも気づけばテレビも見なくなり、勉強時間は自然に積み上がっていきました。
よくある質問(FAQ)
Q. 働きながら何年で合格できますか?
A. 筆者は約2年(2019年3月〜2021年3月)でした。社会人の平均的な合格期間は2〜4年が目安です。BECの再受験がなければもう少し短縮できたと思います。
Q. 1日どれくらい勉強すればいいですか?
A. 筆者は1日2時間弱・月平均54時間ペースでした。まとまった時間が取れない日は「1問だけ」でも継続を優先しました。
Q. 残業が多くても合格できますか?
A. 可能です。ポイントは机に向かうハードルを下げること。帰宅後すぐ机に座り1問解く、昼休みに1問解くなど、スキマ時間の積み上げで十分に届きます。
Q. モチベーションが続きません。
A. ノルマ型の目標は挫折しやすいので、「やらないことを決める」引き算型がおすすめです。詳しい費用や制度を知って目標を具体化するのも効果的です。
Q. 総勉強時間はどれくらいでしたか?
A. 全4科目合格までで合計およそ1,630時間、期間は約2年でした。月平均で約54時間、1日にならすと2時間弱のペースです。BECを3回受験したぶん時間はかさみましたが、働きながらでも十分に到達できる範囲です。
