「英語が得意じゃないけど、USCPA(米国公認会計士)に挑戦できるの?」——これは受験を考える方がまず不安に感じるポイントです。試験はすべて英語ですから、当然の疑問だと思います。
結論から言うと、USCPA受験にTOEICなどの英語資格は一切必要ありません。ただし、合否を実際に左右するのは「英文を読む力」です。この記事では、TOEIC830点からスタートして全科目に合格した筆者(ちゃわ)の実体験をもとに、「本当に必要な英語力」と「合格までに英語力がどう変わるか」を正直にお伝えします。
USCPA受験に英語資格(TOEIC・英検)は不要
まず大前提として、USCPAの出願要件は学歴と単位(会計・ビジネス科目の単位数や総単位数)で決まり、TOEICや英検などの英語スコアを提出する必要はありません。英語の資格を持っていなくても、単位要件さえ満たせば誰でも受験できます。「英語力が一定以上ないと出願できない」ということはありません。
とはいえ、試験問題・選択肢・資料はすべて英語です。つまり「英語の資格は要らないが、英語で問題を解く力は要る」というのが正確な答えです。
実際に必要なのは「読む力(リーディング)」
USCPAの試験は、四択問題(MC)と事例形式の問題(TBS)で構成されています。ここで効いてくるのが英文読解力です。筆者も学習初期、FAR1の単位取得の段階で、「会計の内容自体は日商簿記2級くらいで難しくないのに、MC問題の英文が読み取れずに間違える」という壁にぶつかりました。
「英語のレベルはあまり関係ない」という予備校の宣伝文句をよく見かけますが、筆者の実感としては、序盤は英文の読み誤りによるミスがかなり多かったです。問題文のどこが問われているのかを正確に読み取れないと、知識があっても失点や時間ロスにつながります。
裏を返せば、必要なのは「ネイティブのような英語力」ではなく、会計・ビジネスの英文を正確に読み解く力です。これは学習を続けるうちに鍛えられていきます。
筆者のスタート時の英語力
参考までに、筆者が学習を始めた頃の英語力は次のとおりでした。
- TOEIC 830点(受験勉強を始める少し前の時点)
- ライティング・スピーキングの実力はほぼゼロ(ライティングの勉強は高校受験以来)
- 英文法の知識はかなり抜けがある状態
「TOEIC830点なら十分では?」と思われるかもしれませんが、読解中心のTOEICスコアと、会計の専門英文を読み解く力は別物です。実際、上記のとおり序盤は英文読解で苦労しました。逆に言えば、TOEICが満点近くなくても、地道に問題演習を重ねれば合格レベルの読解力には届くということです。
受験を通じて英語力はどう変わったか
USCPAの学習では毎日大量の英文を読みます。その結果、リーディング力は自然と伸びます。筆者は全科目合格後にTOEICを受け直したところ、830点台 → 885点に上がっていました。特にPart7(長文読解)のスピードと正確性が明確に向上しており、これはUSCPA学習の副産物と言えます。
合格後にさらに1年間英語学習を続けた際は、英検準1級にも合格できました。そのときの実感は「USCPAを受験していればリーディングは正直余裕」というもの。USCPAで身につく読解力は、他の英語試験でもしっかり武器になります。
一方で、リスニングはUSCPA学習では伸びません(試験に音声がないため)。TOEICのリスニングはむしろ下がったほどです。これは「USCPAで伸びるのは読む力に偏る」という現実を表しています。
鬼門だったライティング、そして新制度での朗報
旧試験制度では、BEC科目にWritten Communication(WC/英文記述)がありました。筆者はこのWC対策に最も苦しみ、BECは3回受験してようやく合格しています。ライティング経験がほとんどなかったため、最初は文章の書き出しすら出てこないレベルでした。
ここで重要な朗報があります。2024年のCPA Evolution(試験制度改訂)でBECが廃止され、英文記述(WC)の問題は現行試験では出題されません。現在のCore3科目(AUD・FAR・REG)とDisc科目(BAR・ISC・TCP)は四択(MC)と事例形式(TBS)が中心で、エッセイを書かされることはありません。つまり、これからの受験生はライティングで苦しむ可能性が大きく減ったということです。新制度の詳細はCPA Evolution解説をご覧ください。
スピーキング・リスニングはほぼ気にしなくてよい
USCPAの試験はPCで受ける四択・事例問題形式で、面接やスピーキング、リスニングのセクションはありません。会話力に自信がなくても合否には影響しません。必要なのはあくまで「読む力」、そして現行制度では「読んで選ぶ・入力する力」が中心です。
これから受ける人へ:英語力別のアドバイス
筆者の経験をふまえると、目安は次のとおりです(あくまで個人の実感です)。
- TOEIC700〜800前後:筆者と近いスタートライン。序盤は英文読解で苦労しますが、問題演習を重ねれば十分合格レベルに到達できます。英文法に抜けがある人は、文法を一度やり直すと読解が安定します。
- TOEIC600前後・それ以下:会計の専門用語に加えて基礎英文法・読解の負荷が大きくなります。学習序盤に基礎英文法と多読を少し挟むと、その後の伸びが変わってきます。
- 英語が得意な人:読解の負担が小さいぶん、会計知識の習得に集中できます。
いずれにせよ、「英語ができないからUSCPAは無理」ということはありません。必要なのは事前の高い英語力ではなく、学習を通じて読解力を育てていく姿勢です。
まとめ
USCPA受験に英語資格は不要で、面接やスピーキングもありません。実際に問われるのは英文の読解力で、これは学習を続けるうちに鍛えられます。筆者自身、TOEIC830点・ライティング未経験からスタートし、合格を通じて読解力が伸び、合格後にはTOEIC885点・英検準1級にも届きました。英語に不安があっても、正しい順序で積み上げれば十分に合格を狙えます。
合格までの実際の道のりはUSCPA合格までの全記録(体験記タイムライン)に、勉強の進め方は勉強法・スケジュール完全ガイドにまとめています。これから始める方は初心者ガイドもあわせてどうぞ。
よくある質問(FAQ)
Q. USCPA受験にTOEICは必要ですか?
A. いいえ。出願要件は学歴と単位で決まり、TOEICなどの英語資格の提出は不要です。ただし試験はすべて英語のため、英文を読む力は必要です。
Q. 英語が苦手でもUSCPAに合格できますか?
A. 合格できます。筆者もTOEIC830点・ライティング未経験からスタートし、学習を通じて読解力を伸ばして全科目合格しました。
Q. スピーキングやリスニングの試験はありますか?
A. ありません。試験は四択(MC)と事例形式(TBS)で構成され、面接や音声問題はありません。会話力は合否に影響しません。