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USCPAの前に簿記は必要?5年前の簿記2級がどこまで通用したか【実体験】

USCPAの前に簿記は必要か。簿記2級とFARの出題範囲の重なりを示した図

こんにちは、ちゃわです。

「USCPAを目指したいけど、その前に簿記を取っておいたほうがいいのかな」——受験を検討している方から、よく聞かれる質問です。

検索してみると「簿記があると有利です」という記事ばかり出てきます。でも、それだけでは答えになっていないと思うんです。いつ取った簿記なのか。何級なのか。そもそも取り直す必要があるのか。

私は簿記2級を持っていました。ただしUSCPAの勉強を始めた時点で、取得から5年以上が経っていました。 内容はほとんど覚えていません。しかも大学は理系で、会計単位・ビジネス単位はゼロ。

この記事では、その中途半端な状態からUSCPAに挑戦した結果、5年前の簿記2級が実際にどこまで通用したのかを正直に書きます。あわせて、AICPAが公表している試験範囲(Blueprints)と日本商工会議所の出題区分表を突き合わせて、簿記2級とFARがどこまで重なるのかを範囲レベルで検証しました。

目次

先に結論

  • 5年前の簿記2級でも、確かに役に立ちました。 特にFARの入口で効きました
  • 簿記2級とFARは実際に範囲が重なっています。 FAR全22グループのうち13グループに簿記2級の対応論点があります
  • ただしFARには、簿記に対応物がまったくない領域があります。 非営利組織会計です。ここは簿記何級を持っていてもゼロからで、私も試験直前まで時間を使いました
  • 簿記1級や税理士試験のレベルは、FARには要りません。 連結・企業結合・デリバティブは、2024年の制度改定でFARから選択科目のBARへ移りました
  • 英単語の勉強は不要です。 問題を解きながら覚えれば、本番でも十分足ります
  • これから始めるなら、簿記3級(3,300円)を試金石にするのはアリです。 USCPAは実費で100万円を超えます

私の出発点:簿記2級から5年、会計単位はゼロ

まず前提を正直に書いておきます。

項目私の状態
学歴理系大学卒。会計単位・ビジネス単位はゼロ
簿記簿記2級を保有。ただしUSCPA開始時点で取得から5年以上が経過
英語TOEIC830点
働き方働きながら

簿記2級を取ったのは社会人1年目のときでした。自分から会計に興味を持ったというより、会社の推奨で取ることになったというのが正直なところです。

その後は会計とほぼ無縁の生活で、USCPAを始めるまで簿記のテキストを開くこともありませんでした。

そして簿記を取り直すことはしませんでした。 アビタスに申し込んで、最初に受講したのは「英文会計入門」です。そこからスタートしています。

結果として、全科目合格までにかかった時間は1,630時間、期間は約2年でした。FAR単体では424時間(学習管理アプリ「スタディプラス」の実測値)で、2019年10月に御茶ノ水ソラシティで受験して82点で合格しています。

科目別の勉強時間の内訳は「【合格者の実データ】USCPA科目別の勉強時間まとめ」にまとめています。

5年経っても残っていた3つの知識

「5年も前だし、どうせ全部忘れてるだろう」と思っていました。でも実際に英文会計入門を受けてみると、思ったより残っているものがありました。

① 借方・貸方の感覚

これが一番大きかったです。左が借方(Debit)、右が貸方(Credit)。資産が増えたら借方、負債が増えたら貸方。この感覚は、5年経っても身体に残っていました。

英文会計入門では当然ここから説明されるのですが、「知っている話を英語で聞き直している」状態だったので、頭に入るスピードが違いました。ゼロから複式簿記の仕組みを理解するのは、たぶんもっと時間がかかったと思います。

② 簿記の5要素の区別

資産・負債・純資産・収益・費用。この5つの区別がついていました。

USCPAではこれが Assets / Liabilities / Equity / Revenues / Expenses になるだけです。箱の中身を知っていて、ラベルが英語に貼り替わっただけという感覚でした。

③ 貸借対照表の項目と損益計算書の項目の切り分け

どの勘定科目がB/Sに乗って、どれがP/Lに乗るのか。これが分かっていました。

FARではこの区別を Permanent accounts(実在勘定)Temporary accounts(名目勘定) という言葉で扱います。決算で締め切ってゼロにするのがTemporary、翌期に繰り越すのがPermanent。簿記でいう「帳簿の締切」の話です。用語が変わっただけで、やっていることは同じでした。

英語の勘定科目は、単語帳を作らなくて大丈夫

「会計英語を覚え直すのが大変では」と心配される方が多いのですが、ここは断言できます。新たに単語学習をする必要はまったくありません。

正直に言うと、最初はしんどかったです。 見慣れない英語の勘定科目が並ぶと、それだけで身構えてしまいました。

ただ、英文会計入門を終える頃には気にならなくなっていました。 その後は問題集を解いていて分からない表現が出てきたら、その都度調べて潰していく。それだけです。試験本番も、そのレベルで十分足りました。

単語帳を作ったり、会計英単語の本を買ったりはしていません。問題の中で単語を覚えていくのが一番早いと思います。

参考までに、基本的な対応はこのあたりです。眺めるだけで大丈夫です。

日本語英語
資産Assets
負債Liabilities
純資産(資本)Equity
収益Revenues(利得は Gains)
費用Expenses(損失は Losses)
借方Debit(Dr.)
貸方Credit(Cr.)
仕訳Journal entry
試算表Trial balance
決算整理仕訳Adjusting entries
決算振替仕訳・帳簿の締切Closing entries
売掛金Accounts Receivable
買掛金Accounts Payable
減価償却費Depreciation Expense
前払費用Prepaid Expenses
未払費用Accrued Liabilities

USCPAに必要な英語力そのものについては「USCPAに必要な英語力は?TOEIC830からの実体験」で詳しく書いています。

ひとつだけ、考え方の違いに戸惑いました

単語より引っかかったのは、利益をどこから捉えるかの発想の違いでした。

日商簿記で学ぶ日本の伝統的な会計は、収益費用アプローチの色が濃いです。一会計期間の収益と費用の差額として利益を測る考え方ですね。

一方、USCPAが扱う米国基準(US GAAP)やIFRSは、資産負債アプローチです。資産と負債を先に定義して、その純額の変動として利益を測ります。

同じ複式簿記の上に乗っているのに、どこから利益を見るかの向きが逆なんです。仕訳の切り方そのものが変わるわけではないので日々の学習で困ることは少ないのですが、「なぜこの処理になるのか」を考えるときに引っかかる場面がありました。

※日本基準も近年はコンバージェンスが進んでいて、減損会計・税効果会計・退職給付会計などは資産負債アプローチに基づいています。「日本基準=収益費用アプローチ」と単純に言い切れるわけではなく、あくまで日商簿記で学ぶ範囲での話として読んでください。

簿記2級とFARはどこまで重なるのか【出題範囲で検証】

ここからがこの記事の本題です。

体感だけで「重なっている気がする」と書いても仕方がないので、**AICPAが公表している「CPA Exam Blueprints」(2026年1月1日以降適用)**と、**日本商工会議所の「商工会議所簿記検定試験出題区分表」(2022年度適用版・2026年度試験にも適用)**を実際に突き合わせました。

FARは3つの領域でできている

まずFARの全体像です。AICPAの公表値です。

領域配点
Area I: Financial Reporting(財務報告)30〜40%
Area II: Select Balance Sheet Accounts(貸借対照表の主要項目)30〜40%
Area III: Select Transactions(主要な取引)25〜35%

出題数は多肢選択式(MCQ)が50問、シミュレーション問題(TBS)が7問です。

Area II(30〜40%)— ほぼ全部に簿記2級の対応論点がある

FARのグループ簿記2級の対応論点重なり
A. Cash and cash equivalents現金預金、銀行勘定調整表
B. Trade receivables売掛金、貸倒引当金(実績法)
C. Inventory商品売買(3分法・売上原価対立法)、商品有高帳、棚卸減耗、評価替
D. Property, plant and equipment有形固定資産の取得・売却・除却、減価償却(定額法・定率法・生産高比例法)
E. Investments売買目的有価証券(時価法)、満期保有目的債券(償却原価法)、子会社株式、その他有価証券
F. Intangible assetsのれん、ソフトウェア(自社利用)、償却
G. Payables and accrued liabilities買掛金、未払費用、各種引当金
H. Debt (financial liabilities)借入金、手形借入金(※社債は1級)
I. Equity資本金、資本剰余金、利益剰余金、剰余金の配当

9グループ中8つに、簿記2級で見たことのある論点があります。 ここは本当に「もう終わっている」と言っていい部分でした。

Area III(25〜35%)— 収益認識とリースが効く

FARのグループ簿記2級の対応論点重なり
A. Accounting changes and error corrections会計上の変更および誤謬の訂正
B. Contingencies and commitments引当金、債務の保証
C. Revenue recognition収益認識(履行義務、変動対価、工事契約、割賦販売など)
D. Accounting for income taxes税効果会計(※2級は一時差異が限定的)
E. Fair value measurements時価法の適用はあるが、公正価値測定そのものは扱わない
F. Lessee accountingリース取引・借手側(利子込み法/利子抜き法)
G. Subsequent events対応論点なし

今の簿記2級には収益認識基準とリース取引(借手)が入っています。 ここがFARと直接重なるのは、かなり大きいと思います。私が簿記2級を取った頃とは範囲が変わっている部分でもあります。

Area I(30〜40%)— ここだけは何級を持っていてもゼロから

FARのグループ簿記2級の対応論点重なり
A. General-Purpose Financial Reporting: For-Profit Business Entities財務諸表の作成、区分表示、株主資本等変動計算書
B. General-Purpose Financial Reporting: Nongovernmental Not-for-Profit Entitiesなし(非営利組織会計)
C. State and Local Government Conceptsなし(米国の州・地方政府会計)
D. Public Company Reporting Topics(SEC提出書類、EPSなど)なし
E. Special Purpose Frameworksなし
F. Financial Statement Ratios and Performance Metricsなし(経営分析は1級)

6グループ中5つに、簿記2級の対応論点がありません。 しかもこのArea Iだけで配点が30〜40%あります。

まとめると

FAR全22グループのうち、簿記2級に対応論点があるのは13グループです。

「配点の何%が重なる」とまでは言えません。AICPAは配点を30〜40%のような幅でしか公表していないので、正確な計算はできないからです。ただグループ数で数えれば6割弱が既視感のある論点で、体感ともほぼ一致しています。

非営利会計と政府会計は避けて通れません

Area Iの中でも、非営利組織会計と米国の州・地方政府会計は、簿記の知識がまったく通用しない領域です。

私はここにかなり時間をかけました。試験直前まで勉強していたのがこの分野です。

そして、避けては通れません。 ここはFARの得点源です。「簿記で見たことがないから」と後回しにすると、そのまま失点に直結します。

とはいえ、簿記の知識が無駄になるわけでもありません。 直接そのまま使えることはないのですが、考え方は参考になります。 何を資産と見て、どの期間に費用を配分するのか——その発想の筋道自体は、簿記で身につけたものが効いてきます。

もうひとつ正直に言うと、ある種の割り切りも必要です。 日本の会計の常識で「なぜこうなるのか」を全部納得しようとすると、時間がいくらあっても足りません。「米国の非営利・政府ではこう処理する」と受け入れて、パターンで押さえてしまったほうが早い場面があります。必ず押さえるようにしましょう。

※ 制度改定による重要な変更点

ここでひとつ、これから受験する方に向けて補足があります。私が受験したのは2019年(旧制度)です。

2024年のCPA Evolution以降の現行制度では、州・地方政府会計の扱いがFARで大きく軽くなりました。 現行のFARブループリントでは、州・地方政府会計は次の2トピックの基礎概念だけです。

  • 測定焦点と会計の基礎(Measurement focus and basis of accounting)
  • ファンドの目的(Purpose of funds)

いずれも「思い出す・判定する」レベルの出題です。本格的な州・地方政府会計は、選択科目のBARへ移りました(BARのArea IIIが「State and Local Governments」で配点10〜20%)。

一方で、非営利組織会計はFARに残っています。 しかも財政状態計算書・活動計算書を「作成する」「誤りを修正する」レベルまで求められるので、負荷は軽くありません。

つまりこれから受験する方は、非営利会計にはしっかり時間を使い、政府会計は基礎概念に絞る——という配分になります。旧制度の体験談(私のものを含めて)をそのまま真に受けないでください。

制度改定の全体像は「CPA Evolutionで何が変わった?」にまとめています。

簿記1級や税理士試験のレベルは、FARには要りません

「USCPAを目指すなら簿記1級まで取っておくべきか」と考える方がいますが、私の答えははっきり「不要」です。 そしてこれは体感だけの話ではなく、試験範囲を見れば裏が取れます。

連結・企業結合・デリバティブは、FARから移動しました

2024年のCPA Evolutionで、上級論点はコア科目のFARから、選択科目(Discipline)の**BAR(Business Analysis and Reporting)**へ移りました。

BARのArea IIに含まれているのは、次のような論点です。

BARに移った論点日商簿記での位置づけ
Business combinations(企業結合)1級
Consolidated financial statements(連結財務諸表)2級で入門、本格的には1級
Derivatives and hedge accounting(デリバティブ・ヘッジ会計)1級
Stock compensation(ストック・オプション)1級
Research and development costs(研究開発費)1級
Internally developed software(自社開発ソフトウェア)1級
Leases(リースの上級論点)1級
Employee benefit plans(年金)1級

見事に日商簿記1級の範囲と重なっています。 そしてこれらはFARには入っていません。

つまり、BAR以外の選択科目(ISCまたはTCP)を選ぶなら、簿記1級レベルの論点はUSCPAの試験範囲にほぼ登場しません。

選択科目の選び方は「Discipline科目(BAR・ISC・TCP)の選び方」で解説しています。

逆に、持っている人にとっては大きな武器になる

裏返すと、すでに簿記1級や税理士試験の簿記論・財務諸表論の知識がある方にとって、FARの会計部分はかなり楽に感じられるはずです。

私の体感で言えば、FARは簿記2級の少し延長線上という表現が一番近いです。簿記1級には全然届きません。

ただし2つだけ補足させてください。

1つめ。これはあくまで私個人の体感です。 出発点や得意分野によって感じ方は変わります。「簿記2級の延長線上」と聞いてFARを甘く見ると、たぶん痛い目に遭います。私も424時間かけています。

2つめ。非営利会計は例外です。 上で書いたとおり、ここは簿記1級を持っていてもゼロからで、私も試験直前まで時間を使いました。「2級の延長線上」が成り立つのはArea IIとArea IIIの話だと考えてください。

そしてもうひとつ。会計の難しさと、試験そのものの難しさは別物です。 USCPAには英語で読むという負荷があり、学歴評価や単位取得という手続きの壁もあります。会計の内容が簿記2級の延長線上でも、試験全体が簿記2級の延長線上というわけではありません。

合格後に税理士試験を受けて分かったこと

最後に、逆方向の話も書いておきます。

USCPAに全科目合格したあと、私は税理士試験の簿記論・財務諸表論に挑戦しました。実は数年前に簿記論だけ受けて挫折していて、そのリベンジでもありました。

2022年12月にスタディングで学習を開始し、2023年8月に受験しています。

ちゃわ

ちゃわ@MezaseUscpa

税理士試験(簿記論・財務諸表論)
スタディングで勉強始めました!

2023年8月合格目標で!
もう8ヶ月ないのでかなり厳しいと思いますが戦います!

数年前に簿記論だけで挫折しましたが、今回はちゃんと戦います!
引き続きよろしくお願いします

2022年12月17日 ・ X(Twitter)で見る →

ちゃわ

ちゃわ@MezaseUscpa

簿記論、財務諸表論オワリ
おつかれ自分
しばらくだらだらします(いつも通り)

2023年8月8日 ・ X(Twitter)で見る →

ちゃわ

ちゃわ@MezaseUscpa

いまさら税理士試験の感想(自己採点してない)
簿記論→
財務諸表論→いけたかも?

夏休みはやりたいこと消化よ

2023年8月16日 ・ X(Twitter)で見る →

結果は、財務諸表論のみ合格でした。簿記論は落ちています。

USCPAに全科目合格した後でも、簿記論には届きませんでした。そして、簿記論とFARを比べるなら、FARのほうが圧倒的に簡単です。 これは受けてみての率直な感想です。

この事実は、そのまま**「簿記が得意=USCPAが得意」でも「USCPAに受かった=簿記ができる」でもない**ことを表していると思います。別の試験です。

だからこそ、USCPAのために簿記1級や税理士試験のレベルまで積み上げる必要はありません。 そこまでやるなら、その時間を直接USCPAに使ったほうが確実に早いです。

これから始める人へ:簿記を取るべき場面・取らなくていい場面

簿記3級が向いている人

会計に一度も触れたことがない方には、簿記3級をおすすめします。理由は難易度ではなく、「自分が会計を面白いと思えるか」を確かめられるからです。

USCPAの勉強は1,000時間を超えます。仕訳を切る作業が苦痛でしかない状態で始めるのは、正直しんどいと思います。

簿記2級まで取る必要があるか

必須ではありません。 ただし上で見たとおり、2級の範囲はFARのArea II・Area IIIとかなり重なります。すでに持っている方は取り直す必要はまったくありません(私も取り直していません)。5年前でも十分に効きました。

これから取るかどうかは、時間との相談だと思います。2級の学習に数百時間かけるくらいなら、その時間を直接USCPAに充てたほうが早いという考え方もあります。

簿記1級は完全に別の試験

不要です。 上で見たとおり、1級の主要論点はFARではなくBARの範囲です。しかもBARを選ばなければ登場しません。

なお簿記1級はネット試験がなく、統一試験のみ(年2回・6月と11月)です。ここも学習計画に影響します。

USCPAに100万円を出す前に、3,300円で試せます

もうひとつ、検討段階の方にお伝えしたいことがあります。

USCPAは、予備校代・受験料・国際手数料・学歴評価費用などをすべて含めると、100万円を超えます。 私の実費は1,196,544円でした。

内訳は「【2026年最新】USCPA取得にかかる費用は総額いくら?」に全部載せています。

一方、日商簿記の受験料は次のとおりです(2026年度・税込/日本商工会議所)。

受験料
3級3,300円
2級5,500円
1級8,800円

3級ならUSCPAの約363分の1です。 しかも2級・3級にはネット試験(CBT方式)があり、試験日は各会場が決めるので随時受験できます。統一試験の年3回を待つ必要がありません。

「USCPAに挑戦する価値があるか」「自分は会計に向いているか」を、数千円と数十時間で確かめてから100万円を投じる。 これはかなり合理的な順番だと思います。

もちろん「簿記が合わなかったからUSCPAをやめるべき」という話ではありません。踏み出す前に手触りを確かめられる、というだけの話です。私自身、会社の推奨で取った簿記2級のときに会計が嫌いにならなかったことが、後にUSCPAを選ぶ土台になりました。

※ネット試験は申込時に別途事務手数料がかかる場合があります。金額は申込サイトで確認してください。
※2027年度から出題区分表が改定されます(確定版は2026年7月31日公表)。2026年度試験には2022年度版が適用されます。

簿記より先に確認すべきこと:単位が足りているか

ここまで簿記の話をしてきましたが、USCPAを目指すうえで簿記よりずっと重要な確認事項があります。

受験資格です。

USCPAの受験資格は「簿記を持っているか」ではなく、大学で会計単位・ビジネス単位を何単位取得しているかで決まります。私は理系卒で会計単位・ビジネス単位がゼロだったので、追加で単位を取得する必要がありました。

しかも、その前提として**学歴評価(NIES)**という手続きが必要です。これに2か月前後かかります。

簿記を取ろうかどうか迷っている時間があるなら、先に自分の単位状況を確認してください。 ここが足りないと、そもそも出願できません。

よくある質問(FAQ)

Q. 昔取った簿記2級は、USCPAで役に立ちますか?

A. 役に立ちます。私は取得から5年以上経っていましたが、借方・貸方の感覚、簿記の5要素の区別、B/S項目とP/L項目の切り分けは残っていて、FARの入口で確実に効きました。取り直す必要はありません。

Q. 会計英語の単語帳を作ったほうがいいですか?

A. 必要ありません。私は作りませんでした。最初はしんどいですが、英文会計入門を終える頃には気にならなくなります。あとは問題集で分からない表現が出てきたその都度調べれば、本番でも十分足ります。

Q. 簿記3級も持っていませんが大丈夫ですか?

A. 大丈夫です。USCPAの受験資格に簿記は関係ありません。ただし会計にまったく触れたことがないなら、3,300円の簿記3級で「会計が苦痛ではないか」を確かめてから始めるのは、合理的な順番だと思います。

Q. 簿記2級とUSCPA、どちらを先に取るべきですか?

A. すでに簿記2級をお持ちなら、そのままUSCPAへ進んでください。持っていない場合、2級の学習に数百時間かけるより、その時間を直接USCPAに充てたほうが早いという考え方もあります。判断材料は「会計に触れた経験があるかどうか」です。

Q. 簿記1級を持っていればUSCPAは楽になりますか?

A. 会計の理解という意味では確実に有利です。ただしFARの範囲としては、簿記1級の主要論点(企業結合、連結、デリバティブ、年金など)は2024年の制度改定でFARから選択科目のBARへ移りました。BARを選ばなければ、1級レベルの論点はほとんど出てきません。 逆に言えば、USCPAのためにこれから1級を取る必要はありません。

Q. USCPAと税理士試験の簿記論、どちらが難しいですか?

A. 私はUSCPA全科目合格後に税理士試験を受け、財務諸表論のみ合格・簿記論は不合格でした。その経験から言えば、簿記論よりFARのほうが圧倒的に簡単です。

Q. 簿記の資格はUSCPAの受験資格になりますか?

A. なりません。USCPAの受験資格は各州が定めており、大学で取得した会計単位・ビジネス単位の数で判定されます。簿記検定は単位としてカウントされません。まずは学歴評価(NIES)で自分の単位状況を確認してください。

まとめ

  • 5年前の簿記2級でも役に立ちました。 借方・貸方、5要素の区別、B/S項目とP/L項目の切り分けは残っていました
  • 簿記2級とFARは実際に重なります。 FAR全22グループのうち13グループに対応論点があり、特にArea II(配点30〜40%)は9グループ中8つが重なります
  • 非営利会計は簿記のどの級にも対応物がありません。 私も試験直前まで時間を使いました。避けては通れないので、割り切って押さえてください
  • これから受験する方へ。 州・地方政府会計は現行制度でFARでは基礎概念だけになり、本格的な内容はBARへ移りました。旧制度の体験談をそのまま真に受けないでください
  • 簿記1級や税理士試験のレベルは不要です。 それらの論点は2024年の制度改定でFARから選択科目のBARへ移りました
  • 会計英語の単語帳は作らなくて大丈夫です。 問題を解きながら覚えれば本番で足ります
  • 迷っているなら、3,300円の簿記3級で手触りを確かめるところから。 USCPAは実費100万円超の挑戦です

簿記を持っているかどうかより、単位が足りているかどうかのほうがずっと重要です。まずはそこから確認してみてください。

出典

USCPAの前に簿記は必要か。簿記2級とFARの出題範囲の重なりを示した図
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